毎月29日は 薬王菩薩(やくおうぼさつ)の縁日
薬王菩薩は良薬を施与して人々の病苦をいやすという誓いを立てた菩薩。勇施(ゆせ)菩薩とともに法華経の持経者を保護する。薬上菩薩とともに釈迦(しゃか)の脇侍(きょうじ)とされる。また、二十五菩薩の一。
御利益は病気平癒・身体健全・除病延寿などがあります。
薬王菩薩は三十日秘仏の二十九日仏。
薬王菩薩は薬をもって人々の身心両面の治す仏様です。もとは星宿光という名の長者で、電光明長者という弟がいます。
後に星宿光は薬王菩薩に、弟は薬上菩薩やくじょうぼさつになります。そして将来は浄眼如来、浄蔵如来におのおのなると言われています。
また薬王菩薩は、一切衆生喜見菩薩の生まれ変わりとされています。
薬師如来の八大菩薩の一人であり、阿弥陀様の二十五菩薩の一つでもあります。
楊柳観音と同じとする説もあります。
普賢菩薩は梵名を『バイシャジャラージャ』と言い、元は「星宿光」と呼ばれる長者だったそうです。
長者と言うのは仏教用語で、社会的な力と富を持ち、富裕層を代表する立場にあり、仏教を守る立場の人を指して使われる言葉だそうです。
生命あるもの全ての人々に良薬を与えて、病気を治すと言う菩提心を発して薬王菩薩となりました。
薬王菩薩には弟がいて、弟も兄と同じように薬上菩薩となりました。
将来は兄は浄眼如来に、弟は浄蔵如来におなりになると言われています。
法華経の中では薬王菩薩は、自ら香油を体に塗って両腕を焼く捨身供養と呼ばれる修行を行い仏を供養した「一切衆生憙見菩薩」の生まれ変わりだと言われています。
文殊師利菩薩・観世音菩薩・得大勢至菩薩・無盡意菩薩・宝檀華菩薩・薬王菩薩・薬上菩薩・弥勒菩薩からなる「薬師八大菩薩」の一仏として祀られたり、釈迦如来の脇侍として弟の薬上菩薩と祀られる事が多いです。
薬王菩薩は薬壷と薬草を手に持つ姿が一般的です。
薬王菩薩は薬を与え、人々の心と体の両面を苦しみを取り除き、治してくれる功徳の高い菩薩と言われています。
興福寺に木造薬王・薬上菩薩立像が安置されています。
【制作時代】鎌倉時代
【安置場所】中金堂
【文化財】重要文化財
桧材 寄木造 漆箔 彫眼 鎌倉時代
像高 薬王像362.0cm
薬上像360.0cm
釈迦如来像は文殊(もんじゅ)菩薩像と普賢(ふげん)菩薩像を従えることが多いのですが、薬王菩薩像と薬上菩薩像を置くのは古い形です。兄弟の菩薩で、ともに良薬を人々に与え、心と身の病気をなおしたと言われます。
両像ともに本尊側の膝をわずかに曲げ、外側の足に重心を置く。よく整った姿態、豊かな肉づけは奈良時代の乾漆(かんしつ)像を思わせます。鎌倉再興期の西金堂本尊の脇侍(わきじ)であったのですが、享保2年(1717)の被災後、文政2年(1819)に仮再建された中金堂本尊釈迦如来像の脇侍(わきじ)に迎えられ、今日に至っています。像内墨書から建仁2年(1202)に造立されたことが知られます。