終活・生活・再生日記 「夢幻」

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9月8日の菊の被綿(きくのきせわた)とは

重陽(9月9日)の前日である9月8日の夜に、菊の花を真綿で覆って夜露と香りを写し取り、翌朝にその綿で体や顔を拭うと「健康で長生きできる」という日本独自の風習があります。

 

【菊の被綿】きくのきせわた
陰暦九月八日の夜、菊の花にかぶせてその露と香りとをうつしとった綿。翌日の重陽ちようようの節句にその綿で身をなでると、長寿を保つといわれた。菊綿。着せ綿。菊の綿ともいう。

 

2009年9月11日Youtube投稿分

杉並区の大宮八幡宮では、平安時代の行事「菊被綿(きくのきせわた)」が再現され、綿ぼうしをかぶったおよそ150本の菊が参拝客を迎えています。
 「菊被綿」は平安時代重陽節句に合わせて行われていた行事です。重陽の前日9月8日に、菊を真綿で覆って花の露や香りを移し取り、翌朝、その真綿で顔や体を洗うと不老長寿が叶うと伝えられています。大宮八幡宮の清涼殿のロビーには色とりどりの綿をかぶった菊およそ150本が並べられ、平安時代の優雅な世界が再現されています。


「菊被綿」再現 平安の行事、優雅に

※参考大宮八幡宮重陽節句『菊被綿』は2017年は9月9日〜18日

 

宮中の行事として平安時代から始まったという不老長寿を願う年中行事ですが、平安時代にはもっと小さな菊だったようです。

 

重陽の前日に菊の花を真綿で覆って、花の香りと露をうつしとり重陽の日の朝に、この真綿で体を拭うことにより菊の持つ不老・若返りの効能を受けるという行事でした。

 

その後の「後水尾院当時年中行事」などにも、「白菊には黄色の真綿を、また黄色の菊には赤い真綿を、赤い菊には白い真綿を覆う」そして「さらに真綿の上にも小さい真綿をしべのように載せる」という記述があるようです。

 

★【重陽】読み方:ちょう よう -やう チョウヨウ(chouyou)
〔陽数である九が重なることから〕
五節句の一。陰暦九月九日に行われる節会(せちえ)。中国から伝わり,平安時代には宮中の年中行事となって観菊の宴が催された。菊の節句。重九。 [季] 秋。

 

陰暦九月九日に行われる節句(陽の数である九が重なるところから)。五節句の一つ。中国では登高という丘に登る行楽の行事がある。日本では奈良時代から宮中で観菊の宴が催された。

 

菊の節句。九月の節句。重九。お九日。一般では氏神祭に当て、浜万年青の葉で家族の数の人形を作り、床の間に飾って神酒や柏餅を供え、夕方川へ流す風などがあった。この日に茄子を食べると寒さに強くなるともいう。新米で粥を炊き、甘酒を作ったりもした。

 

9月9日を重陽節句または菊の節句という。他の節句同様、その起源は古来中国に遡る。

 

中国では、奇数は縁起の良い陽の数とされ、一番大きな陽の数である九が重なる9月9日を「重陽」として5節句の一つとしてきた。


日本では平安時代宮中行事となり観菊の宴(重陽の宴)が催され、杯に菊花を浮かべた菊酒を酌み交し長寿を祝い詩歌をつくった。


また、「菊被綿(きくのきせわた」)が行われ、菊の持つ不老、若返りの効を願った。江戸時代には武家の休日としてこの日、菊の花を酒に浸して飲み祝ったという。

新暦に変り9月9日は菊の季節としては早いこともあり、重陽節句は今日では縁遠いものとなっている。


◆大宮八幡宮重陽節句『菊被綿』
9月9日〜18日
乞巧奠と同じく天皇陛下御即位十年を奉祝して平成の世に再現されたのが、重陽節句宮中行事、菊被綿(きくのきせわた)です。9月9日の重陽節句の「陽」とは太陽であり、数でいうと奇数を表します。重陽は陽数の極みである九が重なるという意味で重陽の頃咲く花が菊であったことから、菊の節句とも呼び慣わしてきました。当宮ではこの「菊被綿」を再現、毎年9月9日より18日まで公開しております。

 

菊被綿は重陽の前日の9月8日に菊の花を白、赤、黄の真綿で覆って菊の香を移し、9日の朝、朝露で湿ったこの真綿を顔にあてて若さを保とうとするものです。古代中国では菊は仙境に咲いている花で破邪延寿の効能があると信じられ、平安前期の宇多天皇の御代、宮中行事としてわが国に取り入れられました。当時、重陽の宴では天皇が群臣に菊酒を賜わり、『紫式部日記』にも菊被綿は触れられ、幕末迄行われていました。

 

★菊
キク科の多年草。葉は卵形で波状に切れ込み、鋸歯がある。頭花は大小様々で小菊・中菊・大菊の別があり、一重また八重。色は白・黄・赤など多様。主に秋に咲く。
古く中国から渡来したとされ、観賞に供されてきた。特に近世以降、多くの栽培品種が育成された。花弁を食用とするものもある。

[季] 秋。 《菊の香や奈良には古き仏たち /芭蕉

➀キク科の多年草。日本の代表的な花の一。主に秋に咲き、花の色・形などにより、非常に多くの品種があり、大きさにより大菊・中菊・小菊と大別される。古く中国から渡来したとされ、江戸時代には改良が進んだ。観賞用に広く栽培され、食用にもなる。

《季 秋》「わがいのち菊にむかひてしづかなる/秋桜子」

 

➁キク科キク属の多年草の総称。茎は硬く、葉は卵形で多くの切れ込みがある。秋、白または黄色の頭状花が咲く。シュンギクリュウノウギク・イソギクなども含まれる。キク科植物は双子葉植物では最も進化・分化しており、世界に広く分布。約950属2万種が知られ、キク・タンポポヨモギ・アザミなどの属が含まれる。多年草が多いが一年草や高木もある。

 

薬草や観賞用植物として平安時代より用いられ、宮中では菊の節句とも呼ばれる重陽節句(旧暦9月9日)が明治時代まで行われ、現在でも皇室園遊会(観菊御宴)として行われている。日本で菊の栽培が盛んになったのは、栽培のプロセスが冬に芽をとり、春に植え、夏に成長させ、秋に観賞するといった具合で、イネの栽培と類似していることが影響しているとの説もある。現在では各地に愛好会ができる一方で、秋には、それらが主催の品評会が開かれている。

 

物品への意匠として用いられることも多く、後鳥羽上皇が身の回りのものに施したことにより天皇および皇室の紋となったといわれ、鎌倉時代には蒔絵や衣装の文様として流行した。日本の南北朝時代以降には天皇より下賜されることにより公家や武家の間で家紋として使用されるようになった。

 

世界的には、フランス、ポーランドクロアチア等の一部のヨーロッパ諸国において白菊が墓参に用いられ、中国、韓国でも葬儀の際に菊が用いられることが多い。日本でも古くから仏花や献花として菊が使用されてきた(なお、慣習として故人への供花とされ、病室への見舞いの花としては忌避される)。

 

キクの花弁が放射線状に並んだ形状に由来する慣習的な呼び名があり、アンモナイトの化石のことを「菊石」といったり、また陶芸やそば打ちでの材料の練り方に「菊練り」がある。

 

※「野菊の墓」という小説がいいですね。

野菊の墓』(のぎくのはか)は、伊藤左千夫の最初の小説。1906年1月、雑誌「ホトトギス」に発表。
15歳の少年・斎藤政夫と2歳年上の従姉・民子との淡い恋を描く。夏目漱石が絶賛。
1981年に映画化された。 『野菊の墓』/監督:澤井信一郎、出演:松田聖子、桑原正、島田正吾加藤治子樹木希林

 

◆食用菊(しょくようぎく)とは菊の一種で、特に食用として栽培されている菊を指す。食菊とも。


料理のつまに使われるつま菊などの小輪種の他、花びらのみを食用とする大輪種がある。

 

古代より中国で延命長寿の花として菊茶・菊花酒、漢方薬として飲まれていた。その中でも食用菊は、苦味が少なく花弁を大きく品種改良された種。
奈良時代に、日本で現在でも食用菊として栽培されている「延命楽(もってのほか・カキノモト)」が中国から伝来した。


平安中期の927年に行われた延喜式典薬寮の中に「黄菊花」の名が示されている。食用としては、江戸時代から民間で食されるようになったとされており、1695年に記された『本朝食鑑』に「甘菊」の記述が見られる。

また、松尾芭蕉は、菊を好んで食したらしく、1690年(元禄3年)晩秋に近江堅田で句に詠んでいる。

 

●効能・栄養素
菊そのものの解毒効果に関しては、株式会社ポーラの研究により、生体内の解毒物質「グルタチオン」の産生を高めることが発見されている。


また、食用菊としては、日本大学薬学部・理学部 山形県衛生研究所により、発ガン効果の抑制・コレステロールの低下・中性脂肪を低下させる効果の研究結果が発表されている。


栄養面では、ビタミンやミネラルが比較的に多く、特にβ-カロテンやビタミンC、葉酸をはじめとしたビタミンB群などの抗酸化作能力の高い栄養素を多く含む。さらに、紫菊花には抗糖化作用があるとされ、アンチエイジングの観点からも注目されている。

2008年の統計によると出荷量では、愛知が最も多く、次いで山形、福井、青森と続く。

 

●おもな品種
・延命楽 - 山形では、「もってのほか」「もって菊」[2]、新潟では「かきのもと」と呼ばれる[12]。明るい赤紫色の中輪種。八重咲き。酢の物などの料理に使われる。
阿房宮(あぼうきゅう) - 青森県八戸市特産。黄色の小輪種・八重咲き。花食のほかに、刺身などの料理のつまや飾りなどにも使われている。江戸時代に豪商七崎屋半兵衛によって京都から八戸に持ち込まれたもの

 

花言葉
 「思慮深い」(菊)
 「真実、元気」(小菊)
 「いつも愉快」(蛇の目菊)
 「私はあなたを愛する」(スプレー菊)
 「困難に耐える」(東雲菊)


※ことわざ。
 「春蘭秋菊倶に廃す可からず」(しゅんらんしゅうぎくともにはいすべからず)。
  両者ともにすぐれており捨てがたい、の意。

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